ぶっきーの超・雑記ブログ

「より良く生きる」を模索する。


あなたの人生も食事で変わる。「ジョコビッチの生まれ変わる食事」はもはや自己啓発書だ




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毎週木曜刊行として先週から思い付きで始まった「週刊書評」、第2回である。

 

とりあえずこれでシリーズモノとしての体裁は保ったことになるな。いつでも放り出せるぜ。

 

今回紹介するのは「ジョコビッチの生まれ変わる食事(ノバク・ジョコビッチ著、タカ大丸訳、三五館)」だ。

 

ジョコビッチはビッグ4と呼ばれるテニス界のトッププロの一人で、フェデラー、ナダルと並ぶレジェンドと呼ばれている。2018年8月には未だ誰も成し遂げたことのなかった「ゴールデン・マスターズ」を達成した。

 

彼はもともと「第3の男」、つまり「フェデラーやナダルには及ばない選手」という(今の彼からすると)大変不名誉な評価を長い間受けていた。

 

そんな彼がテニス界のトップに君臨できるようになった理由は一体何だろう?テニスの練習法を変えたから…?ではなく、なんと「食事」がきっかけだったらしい。

 

 

ぶっちゃけどれくらいオススメ?

めっちゃオススメ。

 

対象読者

本書の対象読者は以下のいずれかである。

 

  • パフォーマンス向上に興味がある人
  • パフォーマンスに対し食事が与える影響に興味がある人
  • トップに立つ人間のストイックさを見て刺激を受けたい人
  • 体に良い食べ物、体に悪い食べ物を知りたい人
  • グルテンフリーに興味がある人
  • テニスファン、ジョコビッチファン

 

ここで言う「パフォーマンス」とはテニスやスポーツに限らず、知的活動をも含むあらゆる分野を想定している。

 

さらに「テニスを理解していること」「ジョコビッチを知っていること」は、本書を読む上で必須の要件ではない。もちろんテニスファン、ジョコビッチファンならより一層楽しめるのは間違いない

 

概要

多岐に渡る内容

本書の内容は多岐に渡る。

 

戦争のただ中にあった彼の生い立ちから始まり、第3の男としてもがく時期、そこから栄光のキャリアを手にするまでといった彼の経歴。躍進のきっかけとなった食事と、自分の心や体に耳を傾けるメンタリティの重要性。なんと彼が勧めるトレーニング方法料理レシピ、食品ガイドまで載っている。 宿敵ナダルとの試合中の描写なども楽しい。

 

個人的には彼の(試合が無い日の)一日のスケジュールを説明している箇所が好きだ。「歴史に残るレベルのトッププロはここまでやってるのか」と読むたび刺激を受ける。

 

これらの多岐に渡る内容が時にはストーリーを織り交ぜながら有機的にまとまった形で書き綴られており、ジョコビッチという人間の在り方を立体的に描くことにも成功している。

 

人はここまでストイックになれるのか

その描写からは彼のストイックな姿勢が目に浮かんで来るようだ。

 

目標を達成するために、人間はどこまでストイックになれるのだろう?

 

彼はこの本でその一つの到達点を示してくれているように見える。

 

本書は単にトッププロの食事に関する情報などを提供してくれるだけではなく、このジョコビッチのストイックさを描くことによって、大いにあなたを鼓舞してもくれるだろう。「もっと頑張れるはず」と思わせてくれる。

 

「必要なものを自分で見分けられるようになること」が最重要

注意しなければならないのは、彼の方法(特に食生活)をそっくりそのまま真似しても必ずしもあなたのパフォーマンスが向上するとは限らないという点だ。

 

彼が長い間「第3の男」に甘んじらざるを得なかったのは、グルテン不耐性という一種の過敏症が原因だった。そして食生活をグルテンを排したものに代え、さらに自分の心身の発する声に耳を傾けながら本当に体が求めるものを取り入れていった結果として、彼は栄冠を手にしたのである。

 

あなたがグルテン不耐性でない限りは、ジョコビッチの真似をしたところで彼のような劇的な効果は得られないかもしれない。

 

しかし巻末の医師による解説で触れられるように(この解説も本書の内容に説得力を与えている)、小麦そのものが普通の人間に与える悪影響というものもある(血糖値の急激な上昇に起因する種々の症状及び、脳の霧など)これらを気にするならば、やはりジョコビッチが勧めるレシピや食材は参考になるだろう。

 

本書から学ぶべき真に重要な教訓は、「盲目的にグルテンフリーを食生活に取り入れること」ではない。それは「あなた自身が自分の体にとって必要なものを見分けられるようにならなければならない」ということだ。本書はそのための具体的な方法さえも提示してくれている。

 

その上で、ジョコビッチのストイックさに励ましを受けながらあなた自身の生活を改善していけば、あなたのパフォーマンスは向上していくのではないだろうか。

 

以上、本書は一部のテニスファンにしか読まれないのではあまりにも勿体なさ過ぎる、総合的かつ実践的な自己啓発書である。